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2018-09

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記憶の子供――泉家・弟の場合

泉幸高君と弟の雅弘君(仮名)は、年齢が8歳離れていました。
兄が日本史と20世紀物理学を深く追求していたころ、雅弘君はやっと小学校に上がったばかりでした。その雅弘君を相手に、兄は毎晩、飛鳥時代や宇宙論や原子論など、様々なことを語っていたそうです。
話術に長けた兄ですから、たとえ幼児でも飽きさせることはありませんが、夜遅くまで何時間でも話すのですから、夜更かしに強い兄はともかく、雅弘君の方は睡眠不足になってしまいます。心配した母親が時々代わりに講釈の聞き役になったそうですが、「今度は私が寝不足になって困りました」と苦笑していました。

兄と違って、弟の雅弘君は性格的にも普通で、小学生のころは野球のリトルリーグに入ってプロ野球の選手を目指したりしていました。ただ、多くの兄弟と異なり、兄を心から尊敬していました。その兄の専門的な話をずっと聞かされて育ったのですから、雅弘君も知的なことに大きな興味をしめさないはずがありません。小学校高学年になるころには、彼もやはり歴史が大好きになっていました。戦国時代に一番興味を持つあたりは、兄よりも普通の少年らしかったのですが。

兄に対する地元中学教師の対応に腹を立てていた母親は、雅弘君を私立T中学(この県の最上位レベル)に入学させました。知性への敬意を教師自身が欠いた地元中学では、環境に流されて雅弘君が駄目になると判断したようです。

私立T中学には中1のころから夏期講習がありましたが、それは例えばロケットの作り方であったり、子供達に学ぶことの楽しさを知ってもらおうという趣旨であったそうです。
機械的に宿題を出し無理にやらせるより、興味を抱いてもらう方が、後でずっと伸びると判断したのでしょう。もっとも、その期待を受け止められる力量の子ばかりが集まっているのですが。

そのころ、雅弘君が若干数学を苦手にしていることを心配して、母親がその学校の数学教師に、数学の勉強法を相談したことがありました。
その教師の回答はこうでした。
「数学をどう勉強したらよいか、それは雅弘君自身が見つけるか、数学の得意な子から教えてもらったり、やり方を盗みとったりしなければなりません。数学の勉強の仕方を私が教えたのでは、彼の身につきませんよ」

先にも書いたように、平均的な子供の集団と学習力が違うという前提を忘れてはいけませんが、手軽に教えてもらうより、優れたもののすることを継続的に観察し、まね、つかみ取ってこそしっかり身につく、これも一つの真理でしょう。

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