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2018-07

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記憶の子供――学問が好き(3)

(前回より続き)
勉強だけでなく人格の面でも優れた子の親の多くがそうであるように、泉幸高君(仮名)の母親も、とても穏やかな人でした。いかにものんびりとした方で、たまに幸高君の勉強を心配して私に相談することもありましたが、当人は苦笑いして軽く受け流していました。

幸高君は、たいへんな話好きでした。
高校1年生のある時、塾に来ていた上級生の女子が、化学の「共有電子対」がよく分からないと話しかけられるやいなや、すぐにホワイトボードの前に立って説明を始めました。
最初は原子の仕組みについて話していたのですが、テーマがいつの間にかクォーク粒子(最小の基本粒子)へと移り、ハイゼンベルクの不確定性原理、シュレーディンガーの猫、特殊相対性理論と、次々に語っていきました。非常に分かりやすく整理して話すのですが、それでもそこにいた数人はついていけるはずもありません。
するとそれを察して、泉幸高君は聞いている人達をあてて、理解しているか質問し始めました。「分からない」と答えると、うなずきつつかみ砕いて再度説明していきます。で、また質問。あてた者が分かるまで、根気よくそれをくり返していました。どう説明されても、高校レベルをはるかに超えた理論を簡単にのみこめるはずもないのですが、幸高君はどんなに時間がかかろうと決してイライラしたそぶりを見せず、笑顔で何度も説明しなおしていました。その時はもう勉強の予定時間は終わっていましたから勝手に帰ってかまわないのですが、彼の熱意におされ、誰も席を立とうとしません。結局私が打ち切るまで、2時間くらい話し続けていました。

でも、そのような行動に出ることはまれで、たいていは相手に合わせてその場をうまく盛り上げていました。幸高君について、以前紹介した大菅幸恵さんの兄隆司君(仮名:幸高君より1学年上)が、このように評したことがありました。
「単にいい学校に入ったとか、すげえ点数取るくらいのことなら、別に頭いいと思わない。そんなヤツなら、世の中にゴロゴロいる。でも、あいつは違う。本当に頭がいい。落ちこぼれの俺たちを全然馬鹿にしないし、それどころか話をすると、俺たちに合わせて、いっしょに盛り上がれる話題を選んでいる。それも自然にだ。さりげなくこういうことができるのが、本当に頭のいいヤツだと、俺は思う」

その他、『りぼん』(少女漫画雑誌)付録のキャラクターの絵だけで作者を全て当てる、オリジナルのキャラクター(いわゆる「萌えキャラも含みます」)でちょっと毒のある本格的な漫画が描ける、「エヴァンゲリオン」をギャクとして楽しむ、歴史や政治に関して彼独自の見解を持つ、聞き手を引きつける話術を得意とするなど、とにかく多才で、話題性のつきない人でした。どのような進路を選んでも大成しそうな人でしたが、彼は結局医者を目指すことに決めました。
(続く)

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