個別指導は役立つか
近ごろは、学習塾イコール個別指導と断定できそうなほど、どこも個別指導をうたい文句にしています。多少費用がかかっても、納得できるまでじっくりと教えてくれそうというイメージが、人気を支えているのでしょう。
私も塾に関わる人間の一人ですので、同業者の批判と受け取られそうな内容は、できる限り書かないようにしてきました。それぞれに考えがあるのでしょうし、「他塾は駄目だがウチはしっかりしてますよ」という言い方くらい見苦しいものも無いからです。
しかしながら、個別指導が文句無く良いものかどうかは、常々疑問を抱いてきました。研修と講師の勉強会が充実した塾ももちろんあるでしょうし、指導に長けて熱意もある講師にめぐり合った例も、いくつも存在します。ただ、それが大部分と決め込んで大丈夫なのかな、という疑問です。
まず基本的なことを確認しておきます。塾によって個別指導の定義がバラバラですが、個別指導と呼べるのは、常識的には講師1人に生徒3人以下でしょう。その比率で多くの生徒を集めれば、それだけ多くの講師が必要になります。正社員の講師では、人件費がかかりすぎて採算が合いません。そこで講師は大学生のアルバイトが中心となります。
これについて Wikipedia は
個別指導は、ほとんどの塾が演習中心の授業内容のため、集団指導ほどの話術は必要なく、指導書やマニュアルがあれば、学力も余り必要とはされない。従って、訓練を積んだプロ講師ではなくても、授業を担当することが可能なのである。
と解説しています。でも本当にそうでしょうか。
私の塾も、以前は一部をアルバイトにお願いしていました。必要条件は大学生以上。1クラスはほとんど5名以下で、2、3人の時もしばしばありましたから、準個別指導と言ってもよいでしょう。私がとなりの部屋で教えていますから、何かトラブルがあればすぐサポートが可能です。金額も標準近くは出していました。
条件として悪く無いと思いますが、まず募集でいつも苦労しました。とても採用できない者が少なくないのです。
● 約束した面接時間に平気で遅れてくる。
● 募集要項に履歴書持参と書いておいたのに、「今日は話を聞きにきただけだから」と、手ぶらで来る。
● 妙に態度が大きい。
● 長期間続ける気が無い。
● 常識または学力が足らない。
大学生時代に私も経験がありますが、中学生程度の勉強なら大丈夫となめていると、子供の前でかなり痛い目を見ます。
小さな塾ですから大勢の応募者が来るわけではありません。採用率は3分の1くらいだったでしょうか。多少気になる部分はあっても目をつぶって採用するのですが、採用後に不適切な行動をとる者が何人もいました。特にはじめのころは、私が塾経営に不慣れであったせいもあるのですが。
● 連絡もせずに何十分も遅れてくる。
● 来た時、帰る時に挨拶をしない。
● 玄関ではなく、横の大窓から出入りする。
● 今日は休みと勝手に判断し、塾に来ない。
● 子供が問題を解いている時に、自分の宿題をしている。
● 問題の丸付けしかせず、解説をいっさいしない。
● 「用事があるから休む」と当日連絡してくる。
● 友人と旅行に行くから1ヶ月休ませてくれと言い出す。
● 短期間で、辞めると言い出す。
● たった3人ほどの子供の名前を憶えようとしない。
● 理由をつけて、約束の時間より早く帰ろうとする。
● 最低限の常識が無い。
選んだ末これだったのですから、当時はそのたびに頭をかかえました。有名大学か「三流大学」かは関係ありません。むしろ有名大学の学生のほうが、常識も無いのにへんにプライドが高く、一層やっかいでした。
しっかりした大学生も、もちろんいました。ある方は終始私と相性が悪いままでしたが、それでもするべきことは責任を持って果たしてくれました。そのような学生もいるのですが、残念ながらさほど多くはありません。塾講師は、経験の浅いうちは個人の資質による部分が大きく、マニュアルを与えて研修をしたからといって、急に有能になるものではありません。
たった1人か2人のアルバイト講師で、上記のようなありさまだったのです。私だけではありません。以前勤めていた会社は塾のほかに家庭教師派遣もしていたのですが、信頼できる学生の数は限られていると担当者がいつもこぼしていました。それなのに、今は大半の塾が個別指導をうたっています。かなり大勢の大学生が必要なはずですが、いったいどうやって信頼できる人材を集めているのか、不思議でなりません。駄目学生が有能講師に変化するほどの研修を行なったり、主力を「プロ講師」で固めたりしたら、採算が合いそうにないのですが。
(続く……かも)
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私も塾に関わる人間の一人ですので、同業者の批判と受け取られそうな内容は、できる限り書かないようにしてきました。それぞれに考えがあるのでしょうし、「他塾は駄目だがウチはしっかりしてますよ」という言い方くらい見苦しいものも無いからです。
しかしながら、個別指導が文句無く良いものかどうかは、常々疑問を抱いてきました。研修と講師の勉強会が充実した塾ももちろんあるでしょうし、指導に長けて熱意もある講師にめぐり合った例も、いくつも存在します。ただ、それが大部分と決め込んで大丈夫なのかな、という疑問です。
まず基本的なことを確認しておきます。塾によって個別指導の定義がバラバラですが、個別指導と呼べるのは、常識的には講師1人に生徒3人以下でしょう。その比率で多くの生徒を集めれば、それだけ多くの講師が必要になります。正社員の講師では、人件費がかかりすぎて採算が合いません。そこで講師は大学生のアルバイトが中心となります。
これについて Wikipedia は
個別指導は、ほとんどの塾が演習中心の授業内容のため、集団指導ほどの話術は必要なく、指導書やマニュアルがあれば、学力も余り必要とはされない。従って、訓練を積んだプロ講師ではなくても、授業を担当することが可能なのである。
と解説しています。でも本当にそうでしょうか。
私の塾も、以前は一部をアルバイトにお願いしていました。必要条件は大学生以上。1クラスはほとんど5名以下で、2、3人の時もしばしばありましたから、準個別指導と言ってもよいでしょう。私がとなりの部屋で教えていますから、何かトラブルがあればすぐサポートが可能です。金額も標準近くは出していました。
条件として悪く無いと思いますが、まず募集でいつも苦労しました。とても採用できない者が少なくないのです。
● 約束した面接時間に平気で遅れてくる。
● 募集要項に履歴書持参と書いておいたのに、「今日は話を聞きにきただけだから」と、手ぶらで来る。
● 妙に態度が大きい。
● 長期間続ける気が無い。
● 常識または学力が足らない。
大学生時代に私も経験がありますが、中学生程度の勉強なら大丈夫となめていると、子供の前でかなり痛い目を見ます。
小さな塾ですから大勢の応募者が来るわけではありません。採用率は3分の1くらいだったでしょうか。多少気になる部分はあっても目をつぶって採用するのですが、採用後に不適切な行動をとる者が何人もいました。特にはじめのころは、私が塾経営に不慣れであったせいもあるのですが。
● 連絡もせずに何十分も遅れてくる。
● 来た時、帰る時に挨拶をしない。
● 玄関ではなく、横の大窓から出入りする。
● 今日は休みと勝手に判断し、塾に来ない。
● 子供が問題を解いている時に、自分の宿題をしている。
● 問題の丸付けしかせず、解説をいっさいしない。
● 「用事があるから休む」と当日連絡してくる。
● 友人と旅行に行くから1ヶ月休ませてくれと言い出す。
● 短期間で、辞めると言い出す。
● たった3人ほどの子供の名前を憶えようとしない。
● 理由をつけて、約束の時間より早く帰ろうとする。
● 最低限の常識が無い。
選んだ末これだったのですから、当時はそのたびに頭をかかえました。有名大学か「三流大学」かは関係ありません。むしろ有名大学の学生のほうが、常識も無いのにへんにプライドが高く、一層やっかいでした。
しっかりした大学生も、もちろんいました。ある方は終始私と相性が悪いままでしたが、それでもするべきことは責任を持って果たしてくれました。そのような学生もいるのですが、残念ながらさほど多くはありません。塾講師は、経験の浅いうちは個人の資質による部分が大きく、マニュアルを与えて研修をしたからといって、急に有能になるものではありません。
たった1人か2人のアルバイト講師で、上記のようなありさまだったのです。私だけではありません。以前勤めていた会社は塾のほかに家庭教師派遣もしていたのですが、信頼できる学生の数は限られていると担当者がいつもこぼしていました。それなのに、今は大半の塾が個別指導をうたっています。かなり大勢の大学生が必要なはずですが、いったいどうやって信頼できる人材を集めているのか、不思議でなりません。駄目学生が有能講師に変化するほどの研修を行なったり、主力を「プロ講師」で固めたりしたら、採算が合いそうにないのですが。
(続く……かも)

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