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2008-09

敬語(6)敬語で注意すべき点[2]

【2.身内に尊敬語を使わない。】
自分の側に属する者を外の人に話す時は、敬称(さん、様、部長など)をつけずに、謙譲語で表わします。

《例1》来客に対し、【誤】「お母さんがおっしゃっていました。」
          【正】「母が申していました。」
《例2》来客に対し、【誤】「伊藤課長は外出していらっしゃいます。」
          【正】「伊藤は外出しております。」

例えば家族については、「父」「母」「姉」「兄」などと表わします。また「方(かた)」は尊敬語ですので、身内には使いません。学校の授業でおなじみのルールですので、知らない人は少ないでしょう。しかし実際に使い慣れていないと、内と外の使い分けは意外に混乱しがちです。来客と話している時に身内に対して謙譲語を使うと、身内を高めてしまいますので注意が必要です。

《例》身内である山本の行動を、来客に話す場合。
【誤】「その件は山本からうかがっております。」
【正】「その件は山本から聞いています。」

【3.自分の身体や自分の動作を表わす名詞に「お」「ご」をつけない。】
自分の身体や占有物、自分の動作には「お」「ご」をつけません。よって「私のお口」「私のご製作」は誤りです。

ただし謙譲語の「お〈ご〉……する」を自分について使うのは、もちろん正しい表現です。

それでは次の「ご」は正しいでしょうか。

● 以上で私のご挨拶といたします。

「挨拶」は相手があってこそ成り足ります。「挨拶」の言葉は自分の所有物ではなく、相手に渡したものと考えられますので、これは正しい表現です。「説明」「連絡」「手紙」「電話」「報告」「紹介」など、相手に直接作用する語は「お」「ご」をつけてもかまいません。

【4.二重表現を避ける。】
ひとつの動詞を二重に尊敬語化する表現を二重表現といいます。

《例》「お読みになられる」「おっしゃられる」「ご覧になられる」

くどくなるだけですので、二重表現を避けるのが原則です。「純白の真っ白な」としても白さが際立つわけでなく、単にくどいだけと同じです。違和感うんぬんの問題ではなく、ひとつの動詞を二重に尊敬語化しても、単なる表現の無駄で新しい情報が加わらないからです。

なお、「お読みになっていらっしゃいます」は二重表現ではありません。「読む」「いる」という2つの動詞を、それぞれ一重に尊敬語化しているからです。

ただし絶対に二重表現をしてはならないというわけではありません。「お召し上がりになる」は「食べる」を二重に尊敬語化していますが、すでに定着している表現ですので、間違いとはいえません。

言葉は時代とともに変化しますが、敬語は特に変化の著しい表現です。正誤の判断は、最後は定着の度合いで決まります。
(続く)

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