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分数のかけ算(1)
指導の問題点
まず、次の問題について考えてください。灯油が3dℓあるとします。このとき、次の式で答えが求められる文章問題を作ってください。![]() |
「灯油3dℓの
(3分の2)を使いました。使ったのは何dℓでしょう」のように、
を割合として作った方が多いのではないでしょうか。日本では、分数とは伝統的に割合分数でした。それも簡単な場合に限られ、「しょうゆが3分の1しか残っていない」などと使われてきました。
また、尋常小学校の国定教科書以来、長らく「分数=割合分数」として教えられてきたという事情もありました。
しかしこれでは「量としての分数」という認識がなかなか育ちません。多くの子供は割合で考えるのは苦手ですから、目についた数字を適当に並べて「何となく○○算の気がする」で立式するという出鱈目で済ませてしまいがちです。
「量としての分数」の理解のために、かけ産を習う最初の段階から「量×量」で考えさせることが大切です。
現在算数の教科書の多くは、分数のかけ算を「量×量」で導入しています。
しかし「学習指導要領」の制約もあり、その量は真分数が用いられています。
真分数をかけると元の量より少なくなりますが、答えが元の量より少なくなるのをかけ算でとらえるのは、子供にとってかなり抵抗があります。
結局「量としての分数」がよく理解できないまま計算方法のみ丸暗記し、文章問題が出てくるたびに立式でつまづくことになりがちです。
啓林館の教科書では、ペンキを塗る問題で導入する手助けとして、
(1dℓでぬれる面積)×(ペンキの量)=(ぬれる面積)
を最初に提示し、あとはこれに問題中の量を当てはめて式を作るよう指示しています。
多少の手がかりにはなりますが、「単位あたり量」の理解が不十分なまま単に特定の単語を手がかりに立式させるのでは、「とにかくかけ算」と強引に済ませるのとあまり変わりありません。
指導の実際
分数の前に助走として、まず次の問題を出します。| 花だんに1m2 あたり2ℓの水をまきます。花だんの広さが3m2 だと、何ℓの水がいるでしょうか。式と図をかきなさい。 |
式は2×3=6と簡単に書けるでしょうが、この式が
(1m2 あたり2ℓ)×(3m2 ぶんの広さ)=(全体の水の量6ℓ)
であることをあらためて確認し、下の図で表します。

ただ見せるだけでなく、問題の数値を別の整数に変えて、子供にも図をかかせてください。
図はいびつになってもかまいませんが、自分の手を使わないと量の考え方が身に付きません。
下の線分は花だんの面積を表します。これが子供にとって今ひとつ分かりにくそうであれば、線分の上に何本か草花の絵を描いて、花だんを真横から見た図だと説明します。
(続く)

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